1980年代半ばから90年代半ばくらいまでは、どういう形の栄養素がよく吸収されるのかが注目されました。例えば、硫酸など無機物とミネラルの化合物よりも、グルコン酸、クエン酸など有機物とミネラルとの化合物のほうがよく吸収されます。さらにアミノ酸でミネラルをキレートさせたもののほうが吸収はよくなります。キレートというのはこの場合、アミノ酸がミネラルを挟んだ形のものをいいます。また、1990年代から今日に至るまで注目を集めているのが、植物に含まれているビタミンやミネラル以外の栄養素です。植物に含まれているのは、ビタミンーミネラルや炭水化物・脂肪・アミノ酸だけではありません。人間がまだ発見していないほかの有用な物質も元から含んでいます。植物性栄養素、あるいは植物性化学物質(ファイトケミカル)と呼ばれる植物に含まれる天然成分が、次々と注目されるようになり、特に健康に対する効果が精力的に研究されるようになってきたのです。例えば、赤ワインに含まれるポリフェノール、トマトに含まれるリコペン、大豆に含まれるイソフラボンなどがそれに含まれます。こうした動きは、アメリカ国立がん研究所が植物性化学物質の研究・調査のための特別開発プロジェクトを1990年にスタートさせたことで活発化しました。以上がビタミンの発見から植物性化学物質に対する最近のフィーバーまでの大まかな流れです。しかし1930年代から70年先を見越していた人がいました。