ニュービジネスの旗手と目される中堅から若手社長のほとんどは、ユニークな姿勢、考え方をもっているようだ。新人の企画をいきなり取り入れたり、即座に商品化して、ヒットに結びつけた例も枚挙にいとまがないほどだ。年功序列に関心がなく、就社精神より就業精神に傾く若手社員の意見を積極的に支持、大局からこれをとらえ、効率のよい経営、機能重視の社風が、さらに好循環を生かケースが多い。ただし、きちんとした命令系統、指示系統が整っていないかぎり、一見斬新で奇抜なアイデアも、企画に昇華しない。なぜかといえば、ヒット商品の根本にはかなりの部分、常識というものが横だわっているからだ。常識、普遍という共通認識が時代時代で形を変えているにすぎない。その部分を掌握できるのは、やはり“年の功、亀の甲”ということになる。押さえるツボは押さえ、なおかっ、ユニークでフレッシュな視点(アイデア)が加味されるなら、それはヒットに結びつく要素をもった企画になり得るのだ。この点を踏まえ、パーク24の意図するものを再度見直すなら、かなり興味深いものが表れてくるはずだ。専門家はいつも、「時間貸駐車場(コインパーキング)を早く卒業して、新しい地平を切りひらきたい。次のステップに足をかけたい」と話している。それを織り込んだ企画、アイデア、車を取り込んだ商売で近年、アメリカで注目を浴びているビジネスがある。パーク24が「いつでも」「どこでも」のコンビュエンス性をうたい文句にしているのと、どこか共通項がある。日本でも、車のメンテナンス部品、オイル、タイヤなどを安く売り、さらに取りつけ、交換サービスを迅速に行う業態がすでに確立している。「オーヒ、パックス」などは、さしずめ、その筆頭株であろう。ディーラーの修理工場、ガソリンスタンドなどが受けもっていた部分を肩代わりする業態である。これをもっと早く、便利にしたのが、アメリカでビッグビジネスになりつつある、車の“クイックサービス”である。アメリカでは一九六〇年以降、世帯数増加の二倍の速度でマイカー所有者が増えており、すでに、複数の車を所有する世帯が過半数に達しているという。こうした背景から一〇〜三〇分でメンテナンス、修理を行っているサポートビジネスが脚光を浴びている。「自動車部品&アクセサリー協会」の調査によると、八八年から九四年までに全米で約一万五〇〇〇店のクイックサービスが誕生、九四年の総売り上げは三〇〇億ドルに達したという。これは、車購入後の部品、修理に関するアフターマーケットビジネスの二六%にあたるというから、かなりの浸透率である。早さと手軽さを売りものに、消費者の潜在的需要を的確にとらえたビジネスと評価できるが、ちなみにオイル交換の料金は、平均二〇ドル。ガソリンスタンドの約半分というから、人気が高まるのも当然だろう。ただし、「クイックサービスは信頼できない」という声も一部あり、そこにこだわる消費者は、相変わらずガソリンスタンドに車をもち込んでいるようだ。が、この手の業態がでてくる時、それは必ず発生する声であり、日本でもCVS、FFSになじまない人が相変わらず存在するのと同じ。コンビニならスーパー、スーパーより百貨店という需要と似ている。消費者の時間不足。修理よりメンテナンス重視。メカニズムの複雑化により、修理よりもそっくり部品を交換してしまった方が、より効率的。これらが車のクイックサービスビジネスを繁盛させている要因だが、スピードとコンビニエンス、町の中心に存在して長時間の営業というような、現代人のライフスタイルに即したビジネス形態が受け入れられているのは否定できない。マイカーオーナーの六〇%は、オイル交換、ワックスがけなどのメンテナンスをまだ自分でやっているが、潜在需要を掘り起こすのは可能と、アメリカの識者はみている。“早い”“安い”“うまい”で登場した頃の牛丼チェーン「吉野家」を思い起こさせる。かつての同チェーンは、。うまい″という信頼性のうえで、やや疑問があったのは否定できない。同時に、店舗のクレソリネス面でも問題があったのは事実だ。しかしながら、このチェーンは、女性客をも顧客に取り込み、日本のFFSとしてビッグビジネスのひとつになった。早くて便利を武器に、いつの間にか信頼性も獲得したのである。もちろん、そこには並々ならぬ企業努力が秘められているわけだが、常に時代の需要を的確に商品へと反映させていった。この点に関しても、車のクイックサービスが内に秘めるパワーは、あなどれないものがある。このヒットコンセプトには、時代の要請という裏付けがある。それを的確に表現したからこそ、需要を喚起しているのだ。パーク24の方向性、志向性にも、同様のにおいを嗅ぎとるのは容易だろう。時間を買う、利便性を売る。根本的には同じだ。とするならば、パーク24が次に仕かけてくる技は、可能性の面からいっても、かなり選択肢が広いとも思えるのである。
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