ショーツをつける部分は、からだのなかでもいちばんデリケートな場所である。それだけに、この部分の人間工学的研究は大事なテーマになっている。とくに、からだの動きによってショーツも動くから、ものによっては生殖溝にはさみ込みが起こったり、臀溝にくい込んだりしてしまい、ひじょうに不愉快な思いをさせられることになってしまう。この不快感を解消するのは、ショーツ、ガードルのカット線だ。からだの動きを観察し、どこにカット線を設定するかを見定める必要がある。一五二ページの図をみてもらおう。ショーツの裾ぐりを決定するためには、(1)から(4)の各部の関連した動きを観察しなければならないのだ。たとえば図aのように、(2)、(3)のポイントより裾ぐりが低い場合、側方開脚すると、そ径溝部にシワが生じ、薄筋部のおさえと、大腿三角部の浮きが起きてしまう。また、横方向に引けるため、閉脚すると生殖溝にはさみ込みが起こるのだ。図aの×印側かこの場合で、○印側がくい込まないショーツのカット線である。両脚の動き、腰の前後左右への動きなどによって、ショーツはこのように影響を受け、もとの姿勢にもどったときに、はさみ込み、くい込みの原因となるわけである。これはショーツやガードルだけの問題ではなく、水着やレオタードなどでも研究課題になっている。もっともシークレットな部分だけに、シルエットが出るようではぐあいが悪く、それよりなにより、つけている本人は不快な気持ちになってしまう。もちろん、人間工学的アプローチにより、この悪条件をのりこえてデザインされているのもある。衛生面、ファッション性、そして機能性とショーツのカット線の決定はけっして簡単ではないのだ。より衛生的で、よりファッショナブルに、そしてより機能性に富んだショーツをつくるために、さらに綿密な研究が進められている。
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