人気ドラマを出しても収益はわずか

2011.03.31

ただ、どんなに手間がかかってもそれがビジネスとして収益が見込めるのであれば、テレビ局も努力するでしょう。しかし、前項で説明したようにVODの利用率は月に1〜2本です。手間とコストに見合うだけの売り上げが見込めない以上、テレビ局としてもそこに注力する気にはなれないといったところでしょう。前述のVOD利用率はSTB向けサービスの数字です。これがパソコン向けのものであれば、もっと利用してくれるのでしょうか。実は、TBS、フジテレビ、テレビ朝日は3社共同で2002年9月から、「トレソーラ」というVODの実験を大手プロバイダーと提携してパソコン向けに行っています。ここでは人気番組なども提供されており、テレビ局としてもこの取り組みに大いに期待をかけていたのです。そのため、サーバーや回線といったVOD提供のためのインフラを、コストをかけて自前で構築しました。しかし、この実験も蓋を開けてみれば、「制作費4000万円級のドラマを10本提供してプロバイダーからの収入が10万円程度」(業界関係者)と惨價たる結果だったようです。パソコン向けもこのような結果では、テレビ局としても、手間とコストをかけてまでVODに注力する必要はないと判断しても仕方ないでしょう。ただ、この実験が開始された2002年9月当時のブロードバンドは、まだまだ発展途上でした。総務省の資料によると、ADSLで約420万世帯、FTTHにいたっては約11万世帯の加人数でした。それが今では、ブロードバンド全体で2500万世帯の加人数を誇っているわけですから、当時と状況は様変わりしているはずです。
(参考)
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