タイヤ誕生の物語

2011.10.21

まだ使えるのに捨てられる工業製品、そしてリサイクルが容易であるはずなのにそれが実行に移されていない工業製品はけっして珍しくはない。タイヤはその代表的製品といっていいかもしれない。三光村で炎上したタイヤのほとんどはまだ十分使用に耐えうるものだったことは、それをはからずも証明することになった。最も歴史が浅いのがタイヤである。タイヤが発明されるはるか以前、コロンブスがアメリカ大陸を発見したときからその歴史のプロローグは始まった。コロンブスは西インド諸島で、現地の子供が弾力性に富んだ不思議な玉で遊んでいるのを発見することになる。これこそ樹液を丸めてつくった天然ゴムのボールだったのである。コロンブスは天然ゴムをさっそくヨーロッパに持ち帰ったが、それは長い間子供の遊び道具でしかなく、工業製品として注目されることは久しくなかった。それからはるかなる時を経た一九世紀の半ばにして、この不思議なボールはある偶然から一躍脚光を浴びることになった。