座布団を開くことで相手の開運を願う

2011.04.18

日本家屋の間取りは、使い方によってどうにでも変化させられる便利なものだ。たとえば、四畳半に折りたたみのちゃぶ台を出せば食事スペースになり、ちゃぶ台をしまって押し入れから布団を出せば寝室になる。こんな生活スタイルにあっては、使わない布団はたたんでおくのがふつうである。また来客があったとしても、座布団を出して並べれば即座に客の席がつくれる。座布団は、人の座る場所をつくるための道具だったのだ。畳張りの部屋であれば、円座のように小さめの布団を置くことで座る場所の限定ができる。その円座は、やがて約六〇センチ四方の綿の布団に変わっていく。それがいまの座布団の原形で、明治時代以降に普及した。布団を使うときには、たたんでおいたものを開いて使う。これと同じ発想から、座布団もたたんだものを開きながら客にすすめるのが作法とされる。「開く」行為が、運か開けるに通じて縁起がいいからということらしい。
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