全店舗のウィンドウに飾られたジープで一躍有名に

2011.06.06

一九七八年にカタログ通販会社としてカリフォルニア州マリン郡に設立されたバナナーリパブリックは、蚊帳や草葺きの天井、旅行用トランク、そして全店舗のウィンドウに飾られたジープで一躍有名になった。一九八三年、このチェーンをGAPが買収して全国展開を開始。八〇年代後半に、CEOのジャンージャクソンがマーケティングに一億五〇〇〇万ドルを投入し、小売業界でも類を見ない変身を遂げる。こうして、かつてのサファリーストアの面影もない、超人気店ができあがった。この小売店の新たなオーナー陣は、サファリというテーマの限界を理解していたのだ。サファリ帽だとか一応、アフリカのブッシュで役に立ちそうな弾丸やナイフなどの道具類を入れておくためとされるポケットだらけのカーキージャケットだとか、そんなものより、GAPよりちょっと高級なベーシックもののほうが売れるはずだ、と。この大変身は、さながらハリウッドのフレデリックスがセクシー・ランジェリーからだ。ネルーパジャマ専門店に鞍替えするような離れ業に思われた。だが、結局は、賢いマーケティングープランにはもちろん、十分な資金力も必要だが、かなり疑い深いファッションヴィクティムをも改宗させる力があることが証明されたのだった。