「エステで痩せた」のだと知られることが、恥ずかしいのだ。自分の力で、綺麗なスタイルを保っていると思われたい。だからとてもモニターに応募する勇気などない。しかしモニターになれば、エステサロン側も宣伝のために痩身に力を入れるに違いない。もし私がモニターではなく、このサロンで思いどおりになるまで通ったとしたら、家で計算した40万円ではとても済まないだろう。それほど彼女たちの施術後は、見違えるほど美しくなっていた。ビデオが終わると、受付の女性にフロアの奥にある化粧室へ案内された。「専用の使い捨てショーツにはき替えたら、バスタオルを体に巻いて出て来てください」女性は相変わらず慣れた口調で言うと、紙でできたショーツとバスタオルを私に手渡して化粧室を出ていった。長方形になった化粧室には、壁に面して綺麗なドレッサーがずらりと並び、その正面にロッカーが置いてあった。これこそが、広告で見たことがある綺麗な化粧室だ。まるで一流ホテルを思わせるような室内だった。だが、私は思わず目を伏せた。どこの位置に立っても鏡は私の姿をとらえていた。それも贅肉に包まれた醜い姿だった。使い捨てのおしぼりとヘアブラシが置いてある化粧台の前で、私は服を脱ぎはじめた。スカートを脱ぐと、贅肉に包まれたお腹が顔を出した。以前に「妊娠でもしたの?」と私をからかった男の顔を思い出す。確かに今の私はショーツの上からお腹がぽっこりと出ているから、妊娠7か月くらいに見える。でももうそんなことは言わせない。私は使い捨てショーツにはき替えた。ウエストのゴムの部分が緩くなっていて、肥満したお腹が余計に大きく見える。―恥ずかしい。こんなみっともない姿で、スタッフの前に出なければならないなんて、すごく恥ずかしい。しかも鏡は、その姿をごまかしもせず映し出しているから、余計に惨めな気持ちにさせられる。―ああ、どうしよう。なかなか外には出られず、私は化粧室でもじもじしていた。でも向こうはいつも肥満した肉体を見ているのだろうから、私の贅肉を見ても何とも思わないに違いない。そう自分に言い聞かせて勇気づけ、白いバスタオルを体に巻いて扉を開けた。
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